電気設備トラブル事例

電気設備トラブル事例17葛(カズラ)の成長で、危うく停電!?

香川支部 保安サービス1課 貝出 清彦

■設備などの状況

ある夏の曇り空の日、月次点検のため山間部にある木材加工所へお伺いした時のことです。

■発見時の状況と対応

いつものように現地に向かって車を走らせ、木材加工所の横の道まで来ました。すると、所内の屋外にある構内柱の支線にカズラが巻き上がり、電線付近まで接近している光景が目に飛び込んできました。
「これは危ない!」と、事務所に到着してすぐに、工場長へ状況を説明し、一緒に現場を見てもらいました。
現場で確認すると、構内柱の支線に隣地の雑木林から伸びてきたカズラが巻き付き、6,600Vの電線に接触してはいないもののすぐ近くまで接近していました。幸い、現場の状況から高圧設備を停電しなくても伐採できる状況でした。まず、支線に巻き上がっているカズラまで手を伸ばして届く高さまで構内柱に昇り、持ち合わせのニッパでカズラを伐採し、手の届かないカズラは、地上から引っ張って引きずり下ろしました。支線の周囲には、隣地からのカズラがまだ成長していましたので、工場長に撤去を依頼しました。
月次点検に行くのがあと数日遅ければ、カズラは柱上の開閉器まで成長し、あわや充電部に接触する状態でした。もし、カズラが6,600Vの電線まで到達すれば開閉器が動作して工場が停電し、また、開閉器の電源側に接触すれば近隣一帯が停電し波及事故になるところでした。

今後の取り組み

このお客さまより奥側に民家はほとんどなく、点検に行く以外で状況を確認することはできません。再度、現場を工場長にも見てもらい、どれだけ危険だったか確認していただきました。
この加工所では、過去にカラスが営巣したこともあります。今後、週1回は必ず周辺を確認し、カズラも適宜撤去するようお願いしました。
今回、お互いに危険感受性を高められたとともに、より一層良好な関係を築くことができました。