電気設備トラブル事例

電気設備トラブル事例15黒い煤(すす)?

徳島支部 池田事業所 堀口 亮

設備などの状況

ある春先の晴れた日、月次点検のため山間部のお客さまへお伺いした時のことです。

発見時の状況と対応

連絡責任者にご挨拶し問診を行ったあと、受電設備の点検を実施したところ、点検結果に異常はありませんでした。
続いて、非常用発電機の点検を実施するため、発電機の操作モードを自動から手動に切り替えました。その後、エンジンオイル・冷却水・バッテリーの点検を実施しファンベルトの点検をしていた時のことです。ファンベルトの軸接触部に黒い煤(すす)のようなものが付着しているのを発見しました。

ライトで照らし詳しく観察すると、ファンベルトが削れていることが確認できました。これは、ファンベルトが緩みベルトが滑ることで、軸とベルトの間に摩擦が生じ劣化(削れる)したことが原因であると推測することができました。
 すぐにお客さまへ状況を説明し、現場の状態を確認していただきました。お客さまから発電機専門業者への早期改修の手配を依頼され、後日、ベルト交換および発電機本体の整備点検を完了させました。

非常用発電機のファンベルト

黒い煤(すす)のようなものが付着

今後の取り組み

 今回の事例では、お客さまの所在地が山間部であり停電が比較的多い地域であることから、非常用発電機が自動運転する機会が多く通常より劣化が進んでいたと考えられます。また、停電時に非常用電源として使用しており、地域の避難場所になるなど重要な設備となっていることから、発電機の故障が発生すると多大な影響が出ることが予想されました。今回は、故障する前に劣化が発見できたことで、停電が多発する夏場の前に改修することができました。
 今後も、停電の多い地域などでは通常より劣化の進行が速いことなどを念頭におきながら点検を行うとともに、発電機専門業者による定期点検を推奨してまいります。