電気事故未然防止例

電気事故未然防止例230油断大敵! 樹木の成長速度はすさまじい

高知支部 保安サービス1課 藤田 智紀

設備などの状況

私が点検担当者としてお客さまを受け持つようになって2年が過ぎた頃のことです。電気設備の月次点検のために、山の中腹にあるお客さま事業場を訪れました。
お客さまの引込開閉器は構内柱上に取り付けられており、周囲には木が生い茂っています。

発見時の状況と対応

この時お伺いしたのは夏前でした。山の麓から続く急な坂道を車で上がり、駐車場に車を停めた後、すぐ近くにある構内柱を見上げました。すると驚いたことに、2カ月前に実施した前回の点検時には「まだまだ大丈夫」と思っていた樹木の枝葉が伸び、風が吹けば柱上の開閉器や電線に接触しそうな状況になっていました。
実は今回、「次回点検時に枝を切らせてほしい」とお客さまに相談しようと思っていたのですが、それまで待てる状況にありません。このまま放置すると地絡事故(停電事故)や周辺地域が停電する波及事故につながるおそれがありました。

私はお客さまに現状を説明し、樹木の伐採と、伐採作業のための停電についてお願いしました。それからすぐ、お客さまは現地を見て、「明日午後に停電作業ができるように、今から仕事を調整する」とご協力いただけることになりました。さらに、「木は根元から切ってよい」と言ってくださったので、ありがたく思いました。
樹木の根元は直径15センチぐらいだったので、私は同僚2人の応援をもらい、ノコギリを使って作業することにしました。当日はお天気も良く、私たちは安全に配慮しながら慎重に作業を行い、無事伐採することができました。

今後の取り組み

春から夏前にかけて、樹木の成長速度がすさまじいことに驚かされます。
一歩間違えると重大事故につながってしまう樹木の接触。点検時は、電気設備に樹木の接近や接触がないか、十分気を付けながら外観点検を行っています。