電気事故未然防止例

電気事故未然防止例226台風一過の点検で注意すること

高知支部 事業部 保安サービス 2課 古味 幹久

設備等の状況

台風のあと、お客さまを月次点検のために訪問し、問診を終えたあと、点検作業を開始した時のことでした。

発見時の状況

今回の台風は高知沖を通過したために、大きな影響もなかったので、通常の点検を開始しました。まず、構内柱に取り付けている電力メータ指示値を記録した後、構内柱上を目視確認しました。すると、何かに違和感を覚えたので、注視してみると、引込開閉器負荷側の高圧線に地絡継電器の制御線が接触しているように見えます。場所を移動して、より確認しやすい建物3階の窓よりさらに注意深く確認してみたところ、やはり接触していました。

対応および処置

 このままでは、高圧事故となる恐れがあるため、さっそく連絡責任者に、危険な状況を説明して、現場を確認してもらいました。するとご理解いただいたのか、すぐに工事業者に連絡してもらうことができました。そこで工事業者にも危険な状況を説明し、約30分後には、高所作業車で危険箇所を解消する処置をしていただけました。

原因と今後の取り組み

このような危険な状況に陥ったのは、8年前に引込開閉器を取り替えた時に、制御線を劣化しやすいインシュロック等を使用して固定していたことが原因で起こったものと思われます。もし、今回の異常を見落した場合には波及事故につながる恐れもありました。今後は、施工方法の確認と比較的影響の少なかった台風等の襲来後であっても、お客さま設備点検時には、十分な注意を払うとともに、目視が難しい設備については、場所・角度を変えて、双眼鏡等を使用することが、必要だと感じました。これからも波及事故防止に向け、より注意深い点検を心がけてまいります。