定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.81小さな病院にて

愛媛支部 調査サービス課 浅井 悟

今年の5月に新型コロナが5類に引き下げられ、我々にもやっと以前の日常が戻りつつあります。コロナ禍での調査業務は、日々の体調管理はもとより屋内点検において色々と細かな対策をするなど、本当に大変でした。

そのような中、陽春のある晴れた日、住宅街にある小さな内科医院を訪問した時のことです。
院長にあいさつをした後、屋外点検や漏れ電流測定をしました。その結果、漏電の可能性がある数値が出たため停電しての絶縁抵抗測定が必要となり、停電の了解をいただいて屋内で各回路を個別に測定しました。
すると、胃カメラ室のフロアコンセント回路が漏電していました。フロアコンセントは床にあるため湿気がこもり易くなります。コンセント自体が悪くなっているのではないかと推察し、配線からそのコンセントを外しましたが漏電は収まりません。
その結果、分電盤からコンセントまでの配線に漏電箇所があると判断し、院長に報告のうえ、改修をお願いしました。院長は「10年前にこの病院を建てた建設業者に改修をお願いする」とのことでした。

フロアコンセント
(イメージ)

それから一カ月ほど経った頃、再度その病院を訪ねたところ、院長から「配線に建築用の虫ピンが刺さっていたのが原因であった」とお聞きしました。そして、これを機に分岐ブレーカーも全て漏電遮断器に取り換えるとのことでした。

調査員の業務は、4年に一度、ご家庭などを一軒一軒回って電気の点検を行うという地道な仕事ですが、不良箇所を一つ一つ発見し改修していただくことで、危険の芽を摘むことができます。
これからも、お客さまが安全、安心して電気をお使いいただけるよう、根気よく真摯に業務に取り組んでまいります。