電気事故に学ぼう40作業者の過失による感電以外の死傷事故
資料:中国四国産業保安監督部 四国支部 電力安全課
感電以外の死傷事故
使用電圧 | - |
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設置場所 | 工場 |
事故点の電圧 | 440V |
主任技術者の選任形態 | 選任 |
事故発生月 | 10月 |
供給支障電力・時間 | - |
事故発生の電気工作物 | 船舶電源ケーブルソケット部 |
事故原因 | 故意・過失(作業者の過失) |
経験年数・年齢 | - |
天候 | - |
事故概要
事故当日、当該事業所の船舶用バースにおいて、船舶から原料の積み下ろし作業を行っていた。作業は船舶の運転員が行い、積み下ろし時の電源は、当該事業所のバースに設置している船舶用電源接続設備に船舶側の電源ケーブルを4本接続して確保していた。
積み下ろし作業が終了し、船舶運転員が船舶電源ケーブルを船舶用電源接続設備から接続を切り離す作業を実施した。電源ケーブル4本の内2本を切り離したところで、ケーブルソケット部の端子を保護するため、金属製キャップを取り付けている際に、誤って充電状態であった端子に金属製キャップを接触させ、短絡が生じた。
短絡時のアークにより、当該船舶運転員の衣服に着火し、顔、太もも等に火傷を負った。9日間入院。(感電はしていない。)
なお4本の電源ケーブルは、並列で電気的につながっており、事故発生当時、まだ切り離していなかった2本のケーブルを経由して、切り離した2本のケーブルの端子部まで充電状態であった。
事故原因
- 船舶電源ケーブルの切り離し作業を行う前に、船舶用電源接続設備の電源を遮断していなかった。
- 積み下ろし作業中、船舶用電源接続設備の扉を開けた状態であったため、扉に取り付けている「充電中ランプ」が見えない状態であった。そのため、電源ケーブルの取り外し作業を行う際、電源が遮断されておらず、ケーブルが充電状態であることを容易に確認できなかった。
- 上記と同じく扉を開けた状態であったため、電源ケーブル取り外し作業に関する「注意標識」が見えない状態であった。
再発防止対策
- 電源トリップ回路の追加設置
船舶用電源接続設備の扉にドアスイッチを設け、充電中に扉が開けば自動的に電源が切れる回路を設置した。 - 電源投入ロック回路の追加設置
ドアスイッチを使用し、船舶用電源接続設備の扉が開いている時には、電源入り操作をしても、電源が入らないようにした。
平成22年度四国管内電気事故発生件数
(平成23年3月31日現在)
事故種別 | 事故発生件数 |
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感電死傷事故 | 1 |
感電以外の死傷事故 | 1 |
電気火災事故 | 1 |
社会的に影響を及ぼした事故 | 1 |
主要電気工作物破損事故 | 7 |
供給支障事故 | 0 |
波及事故 | 9 |
計 | 20 |