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見えない「でんき」が見えてくる! だから電気はおもしろい
Part14:ジュールの法則はビールから誕生? 高知支部お客さまサービス課
契約係長

細川 真由美
先日の日曜日、友人たちと4人で徳島のフランス料理店に行きました。
  高知から徳島まで高速バスに乗り、2時間40分。お昼すぎからお目当てのフランス料理店で、おいしいお料理とワインを4時間あまり楽しみ、またバスに乗り2時間40分かけて高知まで帰ってきました。
  何ともぜいたくというか、もの好きというか…。
  私たち4人は職業も年齢もバラバラなのですが、共通点は、おいしいお料理とワインが大好きなこと。人前では酔っぱらいにならないこと。
  まず、一番年上はソムリエの資格をもった酒屋さんで、売る量より飲む量の方が多いと本人が言う「飲ムリエさん」。
  次は、お堅い職業で得た収入のほとんどを飲食に費やしているらしいエンゲル係数100%の「エンゲルさん」。
  そして一番若く、ほどよいオトボケ度で皆をなごましてくれる「黙っていたらお嬢さま」。彼女は今回、徳島に行ったのに、「香川に行った」と思い込んでいて、後日、「え〜。香川じゃなかったの〜。家族にも友達にも言って回ったのに〜」と言うのを聞いて私たちは、コケてしまいました。
  そこに私が加わって4人。エンゲルさんが「また行きませんか」というと、飲ムリエさんが段取りをしてくれて、あとの女性2人が連れて行ってもらうというのが最近のパターン。
  ワインは、飲ムリエさんが厳選したものですが、ただただおいしく飲むだけで、ウンチクを語ることはなく、気軽に楽しんでいます。
  このごろ気軽すぎて、少しだけ心配なのは、飲みすぎ、食べすぎ。
  徳島での延々4時間。「これってカロリーとり過ぎよね」と言いながらも、お料理は残さずいただき、ワインは何本も空になっていったのでした…。(おそろしい〜)
ところで、「カロリー」という言葉は、ダイエットブームの昨今、よく見聞きしていますし、子供からお年寄りまで知っている言葉です。
  一般的な成人の摂取カロリーは1,800〜2,200 kcalとのこと。
  ファミリーレストランのメニューにカロリー表示があるのを見たことがありますが、もしフランス料理店のメニューにあったら興ざめですね。食べる気がしなくなると思います。
  ちなみにアルコール類の100mL当たりのおおよそのカロリーは、赤ワイン70kcal、焼酎25%で140kcal、ビール42kcal、日本酒105kcal。
  アルコール1%当たりでは、赤ワイン5.8kcal、焼酎5.6kcal、ビール8.4kcal、日本酒7.0kcal。カロリーが気になる人は焼酎を飲むべきか…。
  ご飯は、女性用のお茶碗1杯(110g)で185kcal。
  よく一緒に飲む友人は、自分が飲まない時だけ「お酒はカロリー高いよぉ。考えて飲まなくちゃ」と私に忠告してくれます。
  1calとは「1グラムの水の温度を1℃上げるのに必要な熱量」のこと。カロリーは、熱量の単位でラテン語の「熱」を意味する言葉に由来しています。
  カロリーは、一般に広く使われている単位と思いきや、国際単位系(SI)では「ジュール(J)」が使用されているため、日本の計量法でも、栄養学や生物学に関するもの以外はジュールを使用することになっています。
  カロリーをジュールに換算すると1kcal=約4.2kJですから、一般的な成人の摂取ジュールは7,560〜9,240kJということになります。
  食べすぎると5桁の10,000kJ以上になるのでしょうか。計算がややこしそうです。でも将来的には、栄養学でもカロリーからジュールにかわっていく方向にあるそうです。
  新しいものについていけない私にとって、ジュールは、とっつきにくい単位でした。物理の計算で数年前までカロリーを使っていたと思っていたのに、いつの間にかジュールにとって代られ、混乱することもしばしば。
ところが! ジュールが、ある時突然に親近感を覚える単位になったのです。
  数日前、たまたま見ていた電気の専門誌で、「ジュールは、イギリスのビール醸造業の裕福な家の次男に生まれ、…」という書き出しにひかれて読み進めました。
  ジュールというのは、イギリスの物理学者ジェームズ・プレスコット・ジュール(1818-1889)に由来しています。
  電気の導体の発熱量は導体の抵抗と電流の2乗との積に比例するという「ジュールの法則」を発見した人です。
  幼少のころから自然科学に興味をもち、父親がビール工場の近くに実験室を建ててくれたそうです。若いころの論文は、素人として軽んじられましたが、次第に認められていきました。
  電気のはたらきによって生じる熱は、ジュール熱といいますが、ジュール熱の大きさは、抵抗に印加する電力により変化させることができ、制御が容易で、暖房や調理器具などに利用されています。
  電気コンロ、トースター、コタツ、ストーブ、電気毛布、食器乾燥機、ドライヤー、アイロン、etc…。私たちの生活に欠かせないものばかりです。ジュールのおかげです。
ジイメージイラストュールは生涯、どこの大学にも属さず、父親のあとを継いだ家業を続けながら、物理学者として重要な業績を残しています。大英国科学振興協会の会長を務めたこともありましたが、控えめな人だったらしく、晩年には「僕はちょっとしたことを2つ3つやったけど、どれも騒がれるようなことじゃないよ」と兄に語ったとのこと。なんともかっこいい。
  ジュールは、ビール醸造業を家業としていたので、ビールが好きだったとか、大酒飲みだったとかいう記述があれば、もっと親近感がわくのにと、いろいろ調べてみましたが、残念ながら今のところ見つかっていません。ビールを飲んでいて、法則がひらめいたわけではないのでしょうか。
 
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