一般財団法人 四国電気保安協会 前に戻る  
 
見えない「でんき」が見えてくる! だから電気はおもしろい
Part05:君のひとみは1万ボルト? 高知支部お客さまサービス課
契約係長

細川 真由美
  冬になって、ひんぱんに静電気の攻撃を受けるようになりました。
  出入り口のドアの取っ手に手をのばせば「ビリッ」、車のドアで「バシッ」と、あちこちでビリバシしっ放しの私です。
  静電気の衝撃は、ほんの一瞬で終わりますが、あまり気持ちのいいものではありませんし、いつまでたっても慣れて平気になることはなさそうです。
  ビリバシするたびに「うわっ」とさけびたくなるのですが、いい大人がひとり騒ぐのも恥ずかしいのでじっとがまんをしています。
  静電気は、人間のちょっとした動作で発生します。着ている服がこすれて、静電気はだんだん体にたまっていきます。
  そして、たまった静電気が、体の外へ流れ出る道をみつけて、出ていくときに「バチッ」と指先などに衝撃を与えることがあるのです。
  体を動かさずにじっとしていれば、静電気は少なくなるのでしょうが、そういうわけにもいきません。
  湿度が高ければ自然に放電して、人体にたまる静電気の量は少なくなり、湿度55%以上になると静電気は発生しないそうです。乾燥していると静電気がたまりやすくなります。
  着ている服のせいで、男性より女性のほうが静電気を帯びやすいそうですが、それにしても私は他の人よりもビリバシしている気がします。私の冬の必須アイテム、ばばシャツのせいでしょうか。
  重ね着した服の繊維が、同種のものだと静電気は起きにくいのですが、たとえばナイロンとアクリルとか異種の繊維がこすれ合うと静電気が起きやすくなります。
  私が今日着ていたばばシャツを確認してみると、アクリル、レーヨン、ナイロン、ポリウレタンの混紡でした。これでは上に何を着てもビリバシしそうです。
  他の人に触ったときにも「ビリッ」とくることがあります。
  何気なくお互いの手が触れた瞬間、「バシッ」とけっこう強い衝撃がきて、お互いに「うわっ」とのけぞったこともありました。仲のいい友人なので、火花を散らす相手でもなかったのですが…。そばにいる人に無意識に、静電気で電撃パンチを与えてしまうことがあるのは困りものです。
  『君のひとみは1万ボルト』(堀内孝雄の昭和53年のヒット曲で、化粧品のコマーシャルソングにもなっていました。ちょっと古いかなぁ。)という歌がありましたが、近寄るたび「ビリッ」ときたら、1万ボルトのひとみで吸い寄せたステキな男性にも嫌われそうです。
  セーターを脱ぐときのビリビリバチバチの集中攻撃は、約3千〜5千ボルトという高い電圧になっています。でも電流はわずかなので、私たちは少し痛みを感じる程度です。ちなみに静電気の場合、3千ボルトぐらいまでなら痛みを感じないとのこと。
  1万ボルト近い静電気を体に帯びることもあるそうです。『君のひとみは1万ボルト』もけっしておおげさな話ではないということですね。
  高圧電線が6千6百ボルトですから、考えてみると1万ボルトというのは非常に高い電圧ですが、静電気をいっぱいためたら「私だって1万ボルトよ」って自慢できるでしょう。
  ところで、静電気の大親分の雷は、数億ボルトとスケールがちがいます。
  雷は、おおまかに言うと、空気中の水や氷の粒がこすれ合うことにより発生した静電気が雲にたまり、放電する現象です。
  「雷って夏の話よね」と思っている四国育ちの私たちには意外ですが、日本海側は冬の雷のほうが多いそうです。
  気象庁の資料によると、夏の雷と冬の雷は放電のようすがちがい、夏は激しい雷雨となり、数秒間隔で発雷して2〜3時間継続することがありますが、冬は激しい雷になることはめったにないとのことです。
  また、冬は対流活動が夏に比べて弱いので、一度放電すると次の放電まで時間がかかり、30分以上の間隔になることもあり、「一発雷」とも言われます。そして、冬はエネルギーの大きな放電の割合が高く、落雷した場合には、夏より大きな被害をもたらす可能性が高いそうです。
  雷の話で思い出しましたが、このあいだ青森からのおみやげで「ハタハタ」という魚をいただきました。
  ハタハタは「鰰」と書き、冬の雷の鳴るころに日本海沿岸でとれる魚とのことです。
  ついでに書けば、「雷魚(ライギョ)」という名前の淡水魚もいますよね。タイワンドジョウ科の魚のことらしいですが、名前の由来はやはり雷に関係あるのでしょうか。
  「ハタハタ」を食べたのは、そのときがはじめてでしたけれど、干ものを焼いて、北国のお酒でイッパイした夜は、大満足のひとときを過ごしました。
  静電気もストレスもためすぎ注意です。たまには、お酒でも飲んでこまめに発散しましょう(私の場合、発散しすぎという声も多々ありますが…)。
  大親分の雷を筆頭に、悪さばかりしている静電気ですが、ここで生活に役立っている静電気も紹介しておきましょう。
  まずは私たちが大変な恩恵を受けているオフィスに欠かせないコピー機には、静電気が利用されています。1938年にアメリカのカールソンという人によって発明されたそうです。
  また、家庭で大活躍の食品用ラップは、ロールからはがすときに生じる静電気で容器とラップを密着させています。
  そして静電集じん装置や静電塗装などにも静電気が利用されています。
  今はまったく見通しがないようですが、雷のエネルギーが利用できたら、世界のエネルギー事情は大きく変わるでしょう。
  世界中で毎秒100個の落雷があって、1回の落雷で、家庭用の電力消費量にして1世帯あたりで2カ月分くらいのエネルギーになるそうです。

 電気理論の勉強をしていると、最初に静電気の話が出てきて、フランスのクーロンさんという人が発見した「クーロンの法則」が出てきます。私は、静電気はたまりやすいのに、いつまでたってもその知識はなかなか身につかず苦労をしています。そうして私は年中、静電気にいじめられているのです。エ〜ン。
 
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