定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.82初めて一人でお伺いしたお客さま

高知支部 調査サービス課 井上 博勤

入協して約一年となりますが、最初の一カ月ほどは先輩方の調査業務に同行し、いろいろとご指導していただきました。
そして、一カ月が過ぎた3月下旬のある日、初めて一人で調査業務を行うことになりました。担当の地区は市内の小高い丘にある住宅街で、最初にお伺いしたお客さまは少し大きめの2階建てのお宅にお住まいでした。
初めて一人でお伺いするので緊張しながら訪問すると、70代くらいの女性と、同居のお嫁さんがおられました。4年に一度の電気の安全調査にお伺いした旨を伝え、漏電調査の案内と問診を行いました。女性から「漏電は怖いからよく見てくださいね」とお願いされました。
まず、屋外のメーター付近で漏れ電流を測定しました。すると漏電の可能性のある値が出ました。そうなると、停電して行う絶縁抵抗測定が必要なため、お客さまに了解をいただき測定すると、漏電している回路が確認できました。さらに、その分岐回路を詳しく測定していくと、ガレージへの回路が不良と判明しました。それは屋外にある分電盤から露出した配管で配線されていましたが、途中から埋設配管になっていました。そのため行き先がわからず、ガレージのコンセントを切り離したりしましたが、照明やシャッターもあり、原因が機器か配線かは特定できませんでした。
お客さまにその旨をお伝えすると「いつもお願いしている電気屋さんがいるので、すぐに連絡してみます」との返答をいただきました。原因箇所の特定ができず申し訳ない旨をお伝えしましたが「ここまで分かったら大丈夫よ」と言っていただきました。

後日、お客さまから改修が完了した旨の連絡があり、お伺いして測定すると漏電は無くなっていました。漏電の原因は、屋外にある増設した棚にある分電盤からガレージへの配線に不良があったためとのことです。お客さまからは「保安協会さんが見てくれて、漏電を早く直せて良かった。本当に助かった」と喜んでいただき、こちらもありがたい気持ちとうれしい気持ちになりました。
初めての調査で漏電に遭遇するのは稀のようですが、多くの学びと成長の機会を得られることとなりました。今後はさらに経験を積んで知識や技能を習得し、お客さまに安心して電気をお使いいただけるよう努力していきたいと思います。