電気事故に学ぼう60他物接触(鳥獣接触)による波及事故
波及事故については、3月31日現在、平成27年度内で7件発生しています。
四国支部管内における過去5年間(H22〜H26年度)に発生した波及事故(計58件)の主な原因は、自然現象(雷)(26件)に次いで、自然劣化(15件)、その次に鳥獣接触(7件)によるものが多くなっています。(※)
今回は、他物接触(鳥獣接触)による波及事故例を紹介します。
※1件の事故が2以上の原因による場合があるため、原因件数の累計と事故件数の累計は異なります。
資料:中国四国産業保安監督部 四国支部 電力安全課
波及事故
使用電圧 | 6.6kV |
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設置場所 | 病院 |
事故点の電圧 | 6.6kV |
主任技術者の選任形態 | 外部委託 |
事故発生月 | 3月 |
供給支障電力・時間 | 647kW 39分 |
事故発生の電気工作物 | 高圧電線(接続箇所) およびVCT※ (外箱) |
事故原因 | 他物接触 (鳥獣接触) |
経験年数・年齢 | - |
天候 | 雨 |
事故概要
カラスが営巣しようとしてVCT上に持ってきた営巣材(針金)が、VCT二次側配線接続箇所のカバーに内に刺さって地絡した。この時、GR継電器が動作しなかったため、配電線が停電し、波及事故となった。
事故原因
カラスがVCT上に持ち込んだ、営巣材として用いた針金が、VCT二次側配線接続箇所のボルコンカバーに入り込み、VCT外箱とVCT二次側配線接続箇所の間に間欠地絡を生じさせた。この時、G付きPASのGR継電器が、間欠アーク地絡発生により不動作であったため、波及事故に至った。
再発防止対策
- カラスの営巣防止のため、VCT上部にカラスよけ風車を3台設置。
- GR継電器の取り替えの実施。
波及事故とは?
お客さまの高圧受電設備などで起きた事故が原因で、電力会社の配電線に接続されている住宅、交通信号システムなどさまざまな範囲に停電が広がる事故です。自社の損失にとどまらず、他社の工事操業停止など、社会的にも大きな影響をもたらします。
注意!カラスの営巣に注意!
春ごろになると、区分開閉器の上部などに、カラスが木の枝や針金で巣をつくることがあります。植木の剪定や針金ハンガーなどの管理にも気をつけましょう。 巣を発見したら、当協会か四国電力(株)に相談してください。
平成27年度四国管内電気事故発生件数
(平成28年3月31日現在)
事故種別 | 事故発生件数 |
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感電死傷事故 | 3 |
感電以外の死傷事故 | 0 |
電気火災事故 | 0 |
社会的に影響を及ぼした事故 | 1 |
主要電気工作物破損事故 | 12 |
供給支障事故 | 0 |
波及事故 | 7 |
計 | 23 |