電気事故に学ぼう

電気事故に学ぼう59作業方法不良・電気工作物不良による作業者の感電死傷事故

感電死傷事故については、12月31日現在、平成27年度内で3件発生しています。
四国支部管内における過去5年間(H22〜H26年度)に発生した感電死傷事故(計12件)の主な原因は、作業準備不良(4件)、作業方法不良(4件)、被害者の過失(4件)に次いで、電気工作物不良(3件)によるものが多くなっています。(※)
今回は、作業方法不良および電気工作物不良による感電死傷事故事例を紹介します。
※1件の事故が2以上の原因による場合があるため、原因件数の累計と事故件数の累計は異なります。

資料:中国四国産業保安監督部 四国支部 電力安全課

感電死傷事故

使用電圧 66kV
設置場所 受電所
事故点の電圧 66kV
主任技術者の選任形態 選任
事故発生月 12月
供給支障電力・時間 -
事故発生の電気工作物 避雷器一次即断路器周辺
事故原因 作業方法不良および電気工作物不良
経験年数・年齢 -
天候 -

事故概要

事故当日は停電して碍子清掃作業を行う予定であり、作業請負業者には事前に作業内容・注意点等を説明していた。
しかし、作業請負業者の作業者たちは、作業開始時間前に許可無く受電所内に入り、その中の一人の作業者が、周囲の同僚の警告にもかかわらず避雷器横の鉄構を昇り、何らかの原因で導体部分に接触し感電、負傷した。
被災者は、胴綱を付けていたため落下を免れ、作業請負業者の作業者に救出された後、救急車で病院へ搬送された。
なお、受電所入口扉は無施錠で、更に、立入禁止等の標識が取り付けられていなかった。

事故概要

受電所に、取扱者以外の者に電気機械器具、母線等が危険である旨の表示が無く、また、受電所出入口に、出入りを禁止する旨の表示をするための標識も無かったことに加え、出入口に施錠装置を施設して施錠する等、取扱者以外の者の出入りを制限する措置を講じていなかった。(標識は、欠落した後、補充していなかった。)
作業請負業者の作業者たちが、作業開始時間前に許可無く受電所内に入った。
作業請負業者の作業者の一人である被災者が、周囲の同僚の警告にもかかわらず避雷器横の鉄構を昇り、安全帯を取り付けるなど、作業を行おうとした。

再発防止対策

  • 受電所入口扉に施錠を行い、管理する。
  • 受電所のさくに立入禁止・危険標識を取り付ける。
  • 受電所内作業を外部に発注する時は、作業仕様書等による書面発注することとし、作業者には、電気主任技術者から作業予定等について周知徹底する。

作業計画は?

現場の状況に応じた作業手順を安全確認も含め、適切に計画・作成しましょう。作業手順を守らないと、思わぬ事故を引き起こすことがあります。
また、変電所等への取扱者以外の者の立入防止のため、「立入禁止」「高圧危険」の表示をし、施錠および鍵の管理体制など「電気設備の技術基準」を遵守しましょう。

作業手順を確実に守り、ヒューマンエラー(危険予知不足、注意力低下等)をなくし、事故ゼロをめざしましょう

平成27年度四国管内電気事故発生件数

(平成28年3月31日現在)

事故種別 事故発生件数
感電死傷事故 3
感電以外の死傷事故 0
電気火災事故 0
社会的に影響を及ぼした事故 1
主要電気工作物破損事故 10
供給支障事故 0
波及事故 5
19