電気事故に学ぼう

電気事故に学ぼう45波及事故防止対策は万全ですか?

波及事故は毎年10件ほど発生し、その主な原因は雷によるものです。
平成24年度は、9月10日現在、9件発生しています。
今回は波及事故事例2件を紹介します。

資料:中国四国産業保安監督部 四国支部 電力安全課

事例1:保守不備(保守不完全)・自然現象(風雨)による波及事故

使用電圧 6.6kV
設置場所 飲食業
事故点の電圧 6.6kV
主任技術者の選任形態 未選任
事故発生月 4月
供給支障電力・時間 2,554kW
50分
事故発生の電気工作物 避雷器
事故原因 保守不備(保守不完全)、
自然現象(風雨)
経験年数・年齢 -
天候 雨・強風

事故概要

1991年より電気主任技術者が未選任であった事業場において発生した事故。事故当日は風が強く、この強風により保守不備のためネジ締め付けが不十分であった避雷器1次側の接続部分の高圧電線がはずれ、PASを取り付けている金属性支柱に接触し地絡した。地絡リレーが動作しなかったため波及事故に至った。この時、電力会社の変電所ではDGリレーが動作していた。
この事故により、391戸が停電した。

事故原因

  1. 電気主任技術者が未選任であったことに起因する原因
    電気主任技術者が長期間選任されておらず点検・改修等がなされていなかったため、避雷器1次側接続部のネジゆるみの発生、またその改善が施されていなかった。さらに、地絡リレーの動作不良についてSも改修が行われていなかった。
  2. 自然現象に起因する原因
    事故当日は強風波浪雷注意報が発令されるほどの風が吹いており、ネジゆるみの進行および電線の脱線を招いた。

再発防止対策

動作不良が認められた地絡リレーおよびPASの取り替えをおこなった。その他、不具合のあった機器についても取り替えを実施した。電気主任技術者を選任し、点検等を確実に実施する。

事例2:自然現象(風雨)による波及事故

使用電圧 6.6kV
設置場所 斎場
事故点の電圧 6.6kV
主任技術者の選任形態 外部委託
事故発生月 5月
供給支障電力・時間 1,589kW
77分
事故発生の電気工作物 高圧区分開閉器/td>
事故原因 自然現象(雷)
経験年数・年齢 -
天候

事故概要

落雷が高圧区分開閉器(避雷器内蔵)に落ち、激しく損傷した。この時、SO動作は正常に行われたが、高圧区分開閉器内部の損傷が激しく、地絡・短絡が継続的に発生し波及事故に至った。電力会社の変電所での動作リレーはDGR、OCRがともに動作していた。 この事故により、2,120戸が停電した。

事故原因

落雷により高圧区分開閉器内部が激しく損傷し、地絡・短絡が継続的に発生し波及事故に至った。

再発防止対策

 高圧区分開閉器の取り替えをおこなった。

平成24年度四国管内電気事故発生件数

(平成24年9月10日現在)

事故種別 事故発生件数
感電死傷事故 0
感電以外の死傷事故 0
電気火災事故 0
社会的に影響を及ぼした事故 0
主要電気工作物破損事故 11
供給支障事故 0
波及事故 9
20