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だから電気はおもしろい Part.55 塞翁が馬

私の実家で農業をしている息子は、一時、競馬場で馬の世話をする厩務員として働いていました。
 息子は幼いころ、乳牛を飼っている近くの家に行っては、牛に餌をやるのが日課でした。
 その家のおじさんからはとても可愛がられて、「子牛が生まれたら、ボクにあげるよ」と言われたこともありました。
 でも、実際に子牛をもらっても家では飼えないので、その話は実現しませんでしたが、厩務員になったのは、たぶんそんなことがきっかけになったのだと思います。
 中学3年生からは、乗馬クラブに通って馬に乗ることができるようになり、やる気満々で就職しました。
 厩務員の一日の仕事のはじまりは早く、なんと朝3時から。夏はそれほど暑くないうちに仕事が一段落するから良いけど、冬は一番寒い時間帯に仕事をすることになります。
 「そんなに馬は早起きなの?」と聞けば、「なかには朝寝坊の馬もいるよ。まだ寝ている馬がいたら、無理やり起こすんだ」と言っていました。
 疲れているとよく眠り、21時頃になるとたいていの馬は眠っている。その寝姿は様々で、立ったままだったり、横に寝転んだり、座ったりと同じ馬でも日によって違うとのこと。
 そして、「馬は感情がすぐ目にあらわれるから、目を見れば馬の気持ちがわかる。つり目になったり、笑うような目になったりもする」と言っていました。
 性格は様々で、穏やかだったり、甘えん坊だったり、怒りっぽかったり、始終イライラしていたり…触るんじゃないよと人を寄せ付けない馬もいたそう。人間と同じです。
 人と気が合うことを「馬が合う」と言いますが、語源は乗馬からきています。
 馬と乗り手の呼吸がぴったり合うとうまく乗ることができることから、馬と息が合うことを「馬が合う」と言い、それが人との関係にも使われるようになったのです。
 息子は馬の気持ちがわかっていたようなので、さぞかし馬と馬が合っていたことでしょう。
 旅立ちや門出を祝って、金品や言葉などを贈ることを「はなむけ」と言いますが、これも馬に由来しています。
 昔、旅立つ人の馬の鼻を行くべき方へ向けて見送った習慣から、馬の鼻を向けることが「はなむけ」になったそうです。
 今は私の父の弟子になり、農業をしている息子。ひとり立ちできるようになったら、本物の馬で「はなむけ」するのも一興かな。
 でも、そのために馬を調達するのは、大変そうです。
 私の実家や近所の家では、昭和40年代まで、農耕用に牛や馬が飼われていました。
 それが農業の機械化で、牛や馬は身近なところからあっという間に姿を消してしまいました。今、馬がいるのは、乗馬クラブか競馬場か動物園ぐらいですね。

馬 の姿が見えなくなってしばらく経ちますが、そろそろ、「馬力」という言葉も姿を消しそうな気配がしています。
 自動車のエンジンの最高出力の単位には、従来、「馬力」が使われてきました。
 しかし現在、自動車のカタログを見ると「kW」と「馬力(PS)」が併記されることが多くなっていて、いずれは国際単位系(SI)である「kW」に統一されそうです。
 ちなみに、ある電気自動車のカタログを見ると、最高出力は80kW(109PS)となっていました。
 馬力の起源は、ジェームズ・ワットが蒸気機関の能力を定義するために、馬1頭のする仕事を基準にしたことから始まります。
 33,000ポンド(約15トン)の荷物を1分間に1フィート(約30cm)引ける能力を1馬力と定め、これが英馬力(HP)になりました。1HP=0.7457kWになります。
 仏馬力(PS)は、メートル法に基づいて英馬力の値に近くなるように定義されたもので、1PS=0.7355kWになります。自動車の馬力では、この仏馬力のほうが使われています。
 私たち電気に関係する職場でも、いまだにモーターの出力を「○馬力」と言うことがあり、「馬力」は根強く残っています。
 0.75kWのモーターを1馬力、1.5kWのモーターを2馬力…というふうに言います。
 それにしても、「馬力」の単位がなくなってしまうのは、さびしいですね。
 夫婦で共稼ぎをすることを二馬力で働くなどと言いますが、馬力表示がなくなれば、これらもいずれは死語になるのでしょうか。

ふだん運動らしきことを全くせず、体力の衰えを感じる今日この頃の私ですが、昨年までは、7月に3年連続で富士山に登りました。
 昨年の富士登山は、同じ職場の同僚3名も一緒に行くことになり、初登山の3名に対して私はちょっとだけ先輩かなぁと思っていたら、あっと言う間に追い抜かれてしまいました。今、私が彼らより先輩なのは、年齢だけです。
 今夏は、同僚3名と北アルプスに初挑戦する予定です。
 スケジュールでは、1日目に歩くのは3時間。それから山小屋で泊まり、2日目は8時間半歩くことになっています。
 「かなり疲れそうなので練習をしましょう」と、いつも準備万端の同僚M氏から練習登山をする誘いがあり、6月下旬には剣山から三嶺への1泊2日の登山を計画しています。
 これも2日目には剣山から縦走で18キロを11時間かけて歩くコースになっていて、練習と言いながら本番よりもきついのではと思われる内容です。
 そこで練習登山の練習をしなくてはと思い、先日の土曜日に朝5時半から4時間かけて自宅から屋島まで往復歩いてきました。
 屋島頂上には6時半に着きましたが、朝早くから歩いている人が多いのにおどろきました。
 屋島は標高292メートル程度の山で、へんろ道を登ると30分ぐらいで頂上につきます。頂上までは、けっこうヘトヘトになりますが、あとは登り道がないので、楽に歩けて手軽に行くことができる良い場所です。
 毎日歩きに行きたいなぁと、今回はこれまでになく馬力がかかっています。(原稿書きは馬力がかからず、いつも締め切りに追われていますが。)

数 日前、職場の懇親会があり、「今晩は、原稿を書かないといけないので早く帰る」と決意表明をしていたのですが、みんなと別れたあとで、「ちょっとだけ」という気になり、行きつけのバーに足が向いてしまいました。
 そしてカウンターに座り、マスターとずっと話をしていると、隣の男性二人の会話から「人間万事塞翁が馬、…」という言葉が聞こえてきました。
 ちょうど今回の原稿のネタとして、馬にまつわる話を書こうとしていたので、「その言葉、いただき!」と、ニンマリしながら手帳に「さいおうが馬」と書きとめました。
 それからは原稿を書き終わった気分になってしまい、結局、深夜まで居座ることとなりました。さすがに翌朝、真っ白な原稿を前に反省しましたね。
 あとで「塞翁が馬」の言葉の意味を調べてみると、広辞苑では次のように書かれていました。
 (塞翁の飼養した馬が逃げ、後に駿馬を率いて帰り、また息子が落馬して足を折ったが、ために戦士とならず命長らえるなど、禍福が変転常ならずおとずれたという故事)人生の吉凶・禍福は予測できぬことのたとえ。
 補足説明すると、塞翁とは、辺境の塞のほとりに住む老人。人間万事とは、この世のすべてという意味になります。
 人間万事塞翁が馬。悪いことがあってもくよくよするな、反対に良いことがあっても浮かれるなということですね。
 あの時、「人間万事塞翁が馬」しか聞こえなかったので、男性二人でどんな話をしていたのかわかりませんが…。

人間万事塞翁が馬。もうそろそろ原稿を書き終わりますが、今晩は浮かれることなく、家でおとなしく過ごしましょう。

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