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見えない「でんき」が見えてくる! だから電気はおもしろい20
パラボラアンテナ 本部 保安事業部 総括課 副長
細川 真由美
私の娘は22才になりますが、最近、宇宙に関連した場所にハマっています。もしかして彼女は宇宙人か、はたまた時代を間違えて生まれてきたかぐや姫ではないかと思う時があります。
  昨年9月には、「種子島宇宙センターは、世界一きれいな場所にある宇宙センターだって! 見に行こう!」と言い出し、「ロケットに乗って宇宙に行くつもりなの?」と聞けば、「ただ見たいだけ」とのこと。
  「今まで娘にそんな趣味はなかったはずなのに」と不思議に思いながらも、旅行が好きな私は、「島はいいよね〜」と一緒に出かけることにしました。
  ちょうど種子島宇宙センターでは、月周回衛星「かぐや」が、9月14日にH-IIAロケット13号機によって打ち上げられ、私たちはその次の日に種子島に到着。
  1日違いで打ち上げの現場を目にすることはできませんでしたが、打ち上げ成功に私たちもお祝い気分で種子島を旅しました。
  種子島宇宙センターでは、まず敷地の広さに圧倒されました。総面積約970万m2。日本最大の宇宙開発施設です。
  そして、世界一美しいロケット発射場といわれる種子島宇宙センターは、きれいな海岸に面しており、ずっと見ていたいようなすばらしい景色でした。
  敷地内にある宇宙科学技術館では、宇宙の勉強をしたり、おみやげを買ったり、一日中楽しむことができました。
  島でのんびり過ごすつもりだった私も、すっかり宇宙に魅せられた旅となりました。
この旅の後、別に暮らしている娘からは、しばらく音沙汰がありませんでしたが、今年のゴールデンウィーク前に再び、「長野県にあるパラボラアンテナはすごく大きいらしいよ!見に行こう!」と言い出したのです。
  「宇宙人と交信でもするの?」と聞けば、「パラボラアンテナを写真に撮って部屋に飾る」とのこと。
  よく理解できないまま、にわかカメラマンになった娘とふたりで、今度は長野へ旅立ちました。
  スケジュールは巨大パラボラアンテナ見学が中心。しかも長野には巨大パラボラアンテナのスポットが2カ所もあるのです。
  にわかカメラマンに付き添って、私はレンタカーの運転手をしました。
  まずは、JR野辺山駅(JRの駅の中で日本一の標高1,345.67mの駅)から車で5分ぐらいのところにある国立天文台野辺山のパラボラアンテナ群を目指しました。
  お目当ては、アンテナ直径45mのパラボラアンテナ。
  宇宙からの電波を観測しており、ブラックホールの発見や多数の星間物質の発見、星や惑星系の形成過程の研究、銀河の構造や活動性の研究などで大きな成果をあげているそうです。
  直径45mのパラボラアンテナを間近に見るとその大きさに感動します。
  他にも直径10mのパラボラアンテナ6台が並ぶ場所があったり、ちょっとかわいい直径80cmのパラボラアンテナが84台もずらっと並ぶ場所があったり、非日常的な光景に見入ってしまいました。
  そして次の場所は、野辺山から車で2時間程の山の中。
  レンタカーのナビを頼りにしていたらとんでもないところで「目的地周辺です。音声案内を終了します」と山の中で捨てられてしまい、「うそでしょ。まだ3kmはあるよ」と焦ってしまいましたが、道に迷いながらも無事到着。
  ここは、宇宙航空研究開発機構 JAXA(ジャクサ)の施設である臼田宇宙空間観測所。ちなみに、種子島宇宙センターも宇宙航空研究開発機構の施設です。
  臼田宇宙空間観測所には、直径64mの東洋一大きいパラボラアンテナがあります。
  山の中に突然現れる巨大なアンテナは、近づくと非常に繊細な美しい姿を見せてくれます。特に背面から見るとすばらしい。ここで私も完全にパラボラアンテナにハマってしまいました。
  この観測所は、惑星や彗星のような天体に接近して観測を行う深宇宙探査機に向けて動作指令を送信したり、探査機からの観測データを受信したりするために建設されたとのこと。
  昨年9月に打ち上げられた月周回衛星「かぐや」もここで見守られています。
  ちょうどこの原稿を書いている6月、星出宇宙飛行士の国際宇宙ステーションでの活躍の様子が連日ニュースで伝えられていますが、星出宇宙飛行士は宇宙航空研究開発機構の職員さん。
  星出さんのニュースが身近に感じられるようになったのは、娘が種子島と長野の旅に誘ってくれたおかげですね。
  今では私も、にわかカメラマンが撮った巨大パラボラアンテナの写真を眺めて、ひとり悦にいってます。
ところで、アンテナは電気信号を電波に変換して空間に放出したり、空間を飛び交う電波を捉えて電気信号に変えたりするものです。
  電波は人間がつくったものではなく、人類が生まれる前から自然界に存在していましたが、1888年にヘルツが電波の存在を実証して以降、テレビ、ラジオ、携帯電話など私たちの生活に欠かせないものとなっています。
  そもそも電波とはどういうものでしょう? 
  総務省の関係のホームページでは次のように掲載されています。
  電波法では「電波とは、300万MHz以下の周波数の電磁波をいう。」と規定しています。ここで周波数とは、波が1秒間に振動する回数で単位はHz(ヘルツ)です。
  なお、電磁波には電波(300万MHz以下)よりも高い周波数の赤外線や可視光線、紫外線、さらに放射線と呼ばれるX線やγ(ガンマ)線も含まれます。
  電波は金属などの導体に電流が流れると磁界と電界が交互に繋がるように発生して空間を伝わることから、送信機や受信機、アンテナを用いて無線通信ができます。
  また、電波は宇宙空間のように真空でも伝わりますので、空気の振動で伝わる音波とは違います。
  とのこと。わかりやすい説明です。
今回原稿を書くにあたって、手持ちの「やさしい電気」といった類の本に電波の話が載っていたので見てみましたが、全くやさしくないのでイヤになりました。
  総務省の電波利用ホームページにある子供向けの「おもしろ電波教室」のほうがずっと頭に入ります。
  私の頭のなかのパラボラアンテナが小さすぎて、大人向けでは合わないのかも知れませんが…。
 
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