一般財団法人 四国電気保安協会 前に戻る  
 
電気事故未然防止例152:このようにして事故が防げました 高知支部 須崎事業所
尾崎 民雄
漏電の原因は“糞ころがし?”だった!
  設備の状況
  ある製紙会社から「漏電ブレーカがトリップして仕事が止まっているので、早く来て」との困窮した電話を受け調査にお伺いすると、該当の製造ラインは普段通り稼働していました。しばらく様子をうかがっていると社長がすまなさそうな顔をしながら、実はこんな現象が約1年前から2〜3カ月の間隔で発生し、最近では月に1回ぐらいのペースでトリップしだしたので困って電話したとのこと。昼休みに製造ラインを止めていただき、ひととおりの臨時点検を行ってみましたが手持ちの測定器では異常を発見することができませんでした。探査機を取りにいったん事業所に帰り再訪して探査機をセットし、監視状態にして様子を見ることにしました。
  1週間後に探査機のランプが点灯したとの連絡を受けたので早速お伺いし、繁忙稼働中のラインを停止して貰い、漏電表示のある配線束をばらして1回路ずつ末端まで順繰りして観察点検を行っていると、ある裁断用モーターにたどり着きました。モーターカバーを開けてびっくり、「この見事なまでの球体は、一体何だ!」まるで、昆虫の“糞ころがし”がコロコロと上手に転がして作った糞玉に見えました。
  原因
イメージイラスト  モーター内部の冷却用ファンにより吸い込まれた紙粉やほこりがモーター端子の下部底面に少しずつ積もり、積もった紙粉・ほこりと鋸刃から飛び散った微鉄粉とが材料になり、これに縦横の繰り返し振動が加わり続けることによって、核となる鉄粉が転がり始めてだんだんと成長し、とうとうモーター端子充電部まで達するぐらいの大きな球体に成長しました。この時の微弱漏電電流が端子充電部→鉄粉球体→ケースアースと流れて漏電ブレーカをトリップさせていました。
  今後の対策
  原因究明の調査段階で、繁忙稼働中のラインを停止していただくことは、非常に抵抗があり、しばらく様子を見ていただくようお願いしようかと思いましたが、基本に立ち返り根気強く調査を続行した結果、原因が突き止められました。
  今後は、こんな現象が1年も前から発生していたとのことであり、もっとお客さまとの情報連携を密にして、少しでも早く解決できるよう努力し、また社長の笑顔を見たいと思いました。
 
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