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電気事故未然防止例134:このようにして事故が防げました 香川支部 技術課
岩瀬 善視
柱上ガス開閉器(PGS)が不良か?
  発見時の概要
イメージイラスト  高圧で受電しているほとんどのお客さまには、地絡(高圧回路の漏電)保護装置の付いた高圧開閉器が取り付けられています。地絡保護装置付きの高圧開閉器はお客さまの設備で高圧回路の漏電事故が発生したときに、電力側の配電線に停電が波及するのを防ぐ大切な装置です。
  あるお客さまの担当になったときに、前担当者から方向性地絡保護装置(以下DGR)の動作試験のデータが不安定になることがあったと言われました。早速、年次点検を実施するときに、DGRのテストをすることにしました。DGRは高圧の漏電によって発生する地絡電圧と地絡電流によって動作する仕組みになっています。まず、試験用の地絡電圧をDGRのテスト用端子にかけてテストしました。製造メーカーの動作範囲内で異常はありませんでした。次に地絡電圧を直接高圧電線にかけてテストしてみました。1回目のテストは問題ありません。念のため2回目のテストをしたときに、地絡電圧の動作が大幅に遅れました。これは何かあると思い、何回かテストを繰り返すとDGRが全く動作しないこともありました。DGRはテスト端子では正常に動作するので、原因はキュービクルのDGRではなく、構内電柱までの配線か構内電柱の高圧ガス開閉器(以下PGS)であると考えられました。年次点検の停電予定時間が残り少なくなったため、連絡責任者に後日詳しく調べさせていただくようお願いして、この日は送電しました。
  原因(想定)
  後日、キュービクルのDGRと構内電柱間の配線を点検したところ、地絡電圧検出用の配線には異常がありませんでした。このため、異常があるのはPGS内の配線かPGS内の地絡電圧検出装置(ZPC)であると考えられます。しかしこのお客さまのPGSは絶縁用のガスが充填されているため内部点検ができません。連絡責任者にPGSに原因があることを説明して取り替えをお願いしました。セットになっていたPGSとDGRを取り替えた後、竣工試験でテストを行い正常に動作することを確認しました。
  今回発見できた理由
  あらかじめ前担当者からDGRのテストで不安定になる事例を聞いていたので、テストの方法を複数試してみて異常を発見することができました。担当を引き継ぐときは些細な情報でも検証してみることが必要だと感じました。
  対策
  DGRのテストでは地絡電圧をかけるときにテスト端子に電圧をかける方法と、直接高圧配線に電圧をかける方法がありますが、可能な場合は直接高圧配線に試験電圧をかけてより使用状況に近い状況でテストすることも大事だと感じました。
 
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